歯周病菌は食道癌を引き起こし、発症すると生存率が下がります。

歯周病菌フソバクテリウムは人間の口腔[こうくう]内に常在する細菌の一種です。
最近の研究で、大腸がんから高頻度で検出されることが分かったため、大腸より口腔に近い食道がんとの関連を調べました。
熊大で手術した325人の食道がん患者から切除したがん組織を調べたところ、23%にあたる74人からフソバクテリウムを検出。
がん周囲の正常な組織では、ほとんど検出されませんでした。
食道がんの影響に着目した5年後の患者の生存率は、フソバクテリウム未検出の患者は75%でしたが、検出された患者では59%と低いという結果でした。
また、フソバクテリウムを検出したがんを調べたところ、炎症を引き起こすタンパク質の一種「ケモカイン」に関連する遺伝子が働いていることが判明しました。

がん治療の進歩と口の関係

がんは日本人の死因第1位の病気です。
最新のがん統計では、年間36万人近い方ががんで亡くなり、新たにがんと診断される人は年間75万人にのぼります。
生涯のうち、日本人の男性2人に1人、女性では3人に1人はがんにかかると言われており、まさにがんは他人事ではない、身近な病気と言えます。
がんは一昔前までは不治の病といったイメージがありましたが、近年では治療方法もめざましく進歩し、がんは治る病気、あるいは長く共存できる病気になり、がん患者さんの6割は、治療を乗り越えて社会復帰を果たしています。

しかし同時に、がんの治療が強力に、かつ徹底的に行われるため、治療によっておこる副作用や合併症の問題も深刻になってきており、がん治療中には、口の中にも様々な副作用が高い頻度で現れます。
副作用が辛すぎると、がん治療を最後までやり遂げることが難しくなり、結果として治療の効果そのものが低下してしまうことも分かってきました。
がん治療は「ただがんが治りさえすればよい」という段階から、
「なるべく治療の苦痛は少なく、かつ安全にがん治療を乗り越える」ことにもきちんと目を向け、その上で治療の効果も当然確保することが求められる時代になってきたのです。

口の副作用は、痛みで患者さんを苦しめるだけではなく、食事や会話を妨げ、口の細菌による感染を引き起こすなど、がん治療そのものの邪魔をします。
そのため米国ではがん治療を開始する前に歯科で口のケアを受け、合併症を予防しようとすることが一般的になっています。このような「がん治療における口のケア」の取り組みが、大切なので池田歯科でも衛生士さんや内科医と連携しチーム医療で取り組んでいます。

http://www.dental-tribune.com/articles/news/americas/37469_periodontal_disease_bacteria_linked_to_esophageal_cancer.html