佐賀市 池田歯科医院・こども歯科

歯科で使う抗生物質(抗菌薬)について

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歯科で使う抗生物質(抗菌薬)について

抗生物質や抗菌薬ってどんな薬?その役割と種類とは

抗生物質とは、細菌感染症に有効な薬です。
カビから発見されたペニシリンという物質が有名ですが、
微生物がつくった病気の原因となる細菌を殺したり、増殖を抑えたりする役割を持ちます。
抗生物質と合成抗菌薬を含めて
抗菌薬と呼びます。

そもそも私たちの体には何百兆もの細菌がすんでいるといわれています。細菌といっても悪者とは限らず、体のためになる物質をつくり出す良い細菌もたくさんいます。
私たちは無数の細菌と共生しながら、生命活動を営んでいるのです。

体にとって良くない細菌が外から侵入してきても、その人が健康で体力があれば免疫が働き、増えすぎないようにしたり活動を抑え込んだりするので、実害はありません。

しかし、体力が落ちて免疫力が弱くなると、細菌が異常に増殖したり活動が盛んになったりします。
その結果、感染症を起こしてしまうのです。

その際、症状を抑える薬のほかに細菌を退治する薬が「抗生物質」です。

様々な病気に処方される抗菌薬ですが、決して万能薬ではなく
細菌感染症以外への効き目はありません。
ウイルスや真菌など、細菌以外が原因となる感染症については、抗ウイルス薬・抗真菌薬という薬を用います。

抗菌薬の効果は、血液中の濃度、血液への吸収速度、感染している場所へ届く量、さらに代謝や排泄の状況に依存し、これらの要因は生まれつきの個人差や使用中の薬、かかっている病気や年齢などに影響を受けます。

そのため、必ずしも望んだ結果が得られるわけではないのが投薬の難しいところですが、歯ぐきの腫れ具合、痛みの重症度や感染症の性質や重症度、考えられる副作用やアレルギーの有無、薬代なども考慮して歯科医師により慎重に決定しています。

 

歯科でよく使われている抗菌剤

細胞壁合成阻害 βラクタム セフェム系  フロモックス セフゾン バナン ケフレックス
ペニシリン系 ビクシリン(アンピシリン) サワシリン(アモキシシリン) ベングッド(バカンピシリン)
ペネム系  ファロム
グリコペプチド
ホスホマイシン
蛋白合成阻害剤 マクロライド系 エリスロマイシン クラリス ジスロマック
テトラサイクリン系
アミノグリコシド系
オキサゾリジノン系
DNA・RNA合成阻害 キノロン系 クラビット グレースビット
リファンピシリン
ST合剤

WHOも警告、薬剤耐性菌が大問題。
抗菌薬はきちんと飲み切る。


処方された抗生物質は用法・用量を守って必ず飲み切ること。
途中で飲むのをやめると、細菌を退治しきれず、残った細菌から耐性菌が生まれる可能性があるからです。
今ある抗生物質の薬効を失わせることなく、後世の人間が永く使えるものにするには、一人ひとりの正しい理解と心がけが大切です。

抗生剤(化膿止め)で、根の病気は治るのか?

歯の根の治療中、または治療した歯が急に痛みはじめたり、腫れたりした時、また根の中から膿みがでている場合などに、抗生剤(化膿止め)を服用された経験はありませんか?

一般的に歯科医院では根管治療に伴う腫れや痛みで抗生剤を処方することは比較的多いです。
でも、実際には抗生剤を飲むことで根の病気が治るかというと、治らないということをご存知でしたか?

根の病気(根尖性歯周炎)の原因は細菌です。
抗生剤は、細菌を抑える薬だからいかにも根の病気に効きそうですよね?

ですが抗生物質をのむだけで治ることはありません
一時的に症状が緩和されているだけです。

根の病気に効くかどうかは、歯根の中の細菌を抗生物質でやっつけられるかどうか、にかかっています。
そのためには、根の中に抗生剤ある程度の高濃度で届かないと効きません。

しかし、根の病気(根尖性歯周炎)の歯というのは、神経が死んでいる状態です。
つまり根の中は血管がない状態になっており、血が巡ってません。
そのため、抗生剤を飲んでも、他の臓器に届かせるようなしくみでは届かないのです。

細菌を減らすためには、まず根管治療で細菌や、細菌の栄養源となるもの(神経の残骸など)を直接取り除くしか方法はありません。

歯科治療では、インプラントや抜歯といった出血などを伴う外科処置では、抗生物質が必要となることが多いです。
ただ、当院で処方している抗生剤は安全性が高く、副作用も現れにくいものばかりを第一選択として用いており、それほど心配されることはありません。
また、こうした抗生剤があるからこそ、インプラントや抜歯といった処置も安心して受けることができます。
もしも抗生物質に関してさらに知りたかったり、飲み合わせで不安に思うような点があったりする場合は、ご来院された際にご質問ください。